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大河ドラマ【鎌倉殿の13人】建築考証・三浦正幸先生に学ぶ~マチコの知らない検非違使~

今年の大河で新しい言葉を色々知ることができて楽しいです。

武衛(ぶえい)、後妻打ち(うわなりうち)、髻(もとどり)、検非違使などなど。

これらの言葉がまた大河ドラマを一層奥深くまた面白いものにしているように感じています。


今回は検非違使①の話と烏帽子②の話をメインに大河ドラマのこぼれ話③を交えて書きたいと思います。


手書きの書き込みが乱筆ですみません

検非違使と烏帽子


義経が後白河法皇から任命されて最初は大喜びした検非違使の官位ですが、物語が進んでいくにつれてこの検非違使という職のせいで京を離れさせないという後白河法皇の思惑にハマってしまい、結果命を落とすことに繋がっていきました。


ドラマの中でも“未曾有”のこととして何度も九条兼実が法法皇の言葉の不条理さを指摘しますが、法皇は扇子を床に投げつけてしまいました。パーン!


私は前半義経が嫌いでしたが、ここにきて後白河法皇が一番嫌いになっています。そんなことはいいとしまして、検非違使について「年中行事絵巻」から少しクローズアップしてみます。


三浦先生の資料によりますと、左の方に甲冑を着ているのが検非違使です。黒っぽいのでお分かりいただけると思います。兜はかぶっておらず折烏帽子姿です。

兜は重いのでずっとかぶっていると超疲れてしまうため、従者が代わりに主人の兜をかぶってあげているそうです。床に置くわけにいかないからでしょうか。


その従者たちが持っているのは背の高い棒のようなもの。これは弓袋と言って中に弓が入っているそうです。弓って弦を外すとまっすぐになるのでこのようにコンパクトに袋に収納することができるとのこと。


男性はお坊さん以外は絶対に絶対に烏帽子をずっとかぶっているそうです。それは大河ドラマでもお風呂に入っているときの頼朝、布団に入って眠っているときの頼朝を見ればお分かりのとおり。現代人の私たちから見たら違和感でしかありませんが、その当時は烏帽子を脱ぐことが裸より恥ずかしいことだったそうなので、そう考えるとお風呂に裸で入ったとしても烏帽子は脱がないのが納得できますね。


そう知れば知るほど思い出してしまうのは、佐藤浩市演じる上総広常の最後のシーンです。

私は辛過ぎて、後半は目を開けていられなかったので、最後に笑顔を見せたことなどは知りませんでした。(その後のSNSで最後は義時は自分をだましたわけではないことを悟った笑顔だったと知りました。)


その少し前に烏帽子が無残にも脱げて、髷が丸見えになってしまっている上総介の横顔を見たとき“あーもうダメだ”見ていられないと思いました。思い出すだけでも胸が張り裂けそうです。そう考えると牧の方のお兄さんも皆の見てる前で髻をバッサリと切られてしまって可哀そうでした。


話は戻ってこの烏帽子ですが、上にまっすぐ立っているものと義時のように小さく折れ曲がっているものがありますね。


何となく折れずに立っている烏帽子の方が偉いのかなと思っていましたが、そういうことではないそうです。

義時がつけているものは、頼朝がつけているものをまず横に半分に折り、その後前と後ろをまた三角に折ると出来上がるそうです。

兜をかぶるときも烏帽子は取らず烏帽子の上から兜をかぶったそうです。

(※一番下の図を参考にして下さい。三浦先生の話をもとにイラストにしてみました。)


またこの「年中行事」の右上の二人を見てください。一人はお坊さんでもう一人の男性は烏帽子が横っちょ向いてしまっています。

これは「なええぼし」といって柔らかい烏帽子だそうです。


この何とも可愛らしい『年中行事』の絵は後白河法皇が作らせました。


年に1回罪人に足枷をはめる儀式があったそうで、見物人が出たほどだったそうです。検非違使は今でいうところの治安維持部隊といった役どころだそうです。




こちらの左上の絵では、前側に烏帽子が折れ曲がっています。これは風折烏帽子」という名前だそうです。なんかちょっと面白いと思ってしまいます。

お医者さんが往診に来てくれている絵で、目を見てもらっているみたいです。この時家の主が畳の上で医者が板張りの上に座っていますね。畳が敷き詰めていないため、畳の縁が丸見えになっています。


襖について


そして烏帽子からは脱線しますが、襖を見てください。私たちが知っている襖は丸い手をかける凹んだ場所が付いていて、それで襖の開け閉めを行っていました。(子供の頃は襖が誰の家にもありましたね)しかし、この当時は襖の大きさが縦も横も大きすぎて、とても手をひっかけただけでは開くはずもなく、ぶら下がっている紐のようなものでオイコラショ!と開けたり締めたりしていたそうです。


この資料を見つけたとき三浦先生は“やったー!”となったそうです。なかなか探そうと持ってこのパーツを古い絵の中に見つけるのは至難の業だと思いました。さすがです!


偶然にも源氏物語絵巻からの資料


次にこちらの絵の襖は無地ではなく絵が描かれています。庶民の家とは違って貴族だからでしょう。縦2.5m×横1.5mで重さは30-40㎏かといったところだそうです。


『源氏物語絵巻』からの資料がレジュメに入っていましたが、この講座の後に2024年の大河ドラマは紫式部と発表されました。すごい偶然!


そして紫式部楽しみ過ぎます。

『源氏物語』はなんと世界最古の長編小説。同じくイギリスにも『高慢と偏見』で有名なかのジェーン・オースチンがいますが、それは18c~19cにかけてのもの。11cの紫式部の方がかなり前になります。これは否が応でも期待が高まります!!


最後に大河ドラマこぼれ話


三浦先生はドラマで俳優さんらが着用している大鎧の大袖がよろしくないと。後ろの方に行き過ぎてしまって、まるで天使の羽根状態だと。付け方を指導し、前の方に大袖が来るように修正されたそうです。現在はもう修正された正しい着用の仕方で演技されているとのことでした。


私のつたないイラストをつけておきますね。三浦先生の講義を聴きながらの走り書きなので乱筆お許しください。といってお清書したとしてもたいしたイラストが描けないのでこちらをそのままアップしてますm(__)m


毎週日曜がたのしみ♪





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